INTERVIEW

JENNA G
KNOWLEDGE ISSUE2.64
AUDIO THERAPY by. MATTHEW DUFFIELD/ 訳:myoume

Jenna G は今回のデビューアルバム、"For Lost friends"にずば抜けたエモーションとエナジーを結びつける。彼女が話す通り、それはUn-Cutとの結末を語る一種のセラピーで、彼女はそこから強くなって這い上がり、もっとハッピーに、そしてこれまで以上にDrum&Bassと恋に落ちる。

生まれも育ちもマンチェスター、そして現在はロンドンに拠点を置くJenna。彼女の中には血管を貫くほどのDrum&Bassが流れ込んでいる。

今回のアルバムにはDJ Zinc、そしてDJ Friction、Artificial Intelligence、Total ScienceやD-Bridge、Commix、Kabuki、Nu-Tone、D.Kayなど、錚々たるコラボレーションキャストが集結した。彼らは彼女がオンボードにしたプロデューサー陣のわずかにしかすぎないが、出来はかなりのものだ。スネアで始まる"Super sounds"から、ターボチャージの効いたラテンギターが弾く"Mic Check"まで、そこにはかすかにも研ぎ澄まされる瞬間さえある。

それぞれ違う形のムードとテンポは、ファンク、ソウル、Hip-Hopからブルース、そしてジャズやゴスペルまでと、彼女が受けた影響から映し出されている。"Don't Bury Me"や"Pleasure Ride"の様に更に落ち着いたチューンは、火付け役のクラブカットと並びうまく腰を据えている。"In Love"は、パンクロックなタッチさえある。聴いていてハッキリしていることは、ソングライターとしての彼女のスキルは常に成長していて、そのテイストは今後確実に伸びていくであろうということだ。

"For Lost friends"には少々荒いエッジがあり、ほとんどのトラックはさほど強めでない。しかしそこがアルバムの面白い特徴になっており、この上なく楽しめるデビューアルバムなのだ。Jennaのボーカルと歌詞はエモーションとパッションにて詰め込まれ、挑発的にも敷き詰められた後、シャープなビタースイートへとアップリフティングされる。そのパワフルなコンビネーションは強く感じられることだろう。作品として実にうまく完成しているし、ライブにも持ってこいだ。うまくいけば、年内後半にでもそれは実現しそうである。

Jeenaが最初に歌に目覚めたのは、ゴスペルのコーラスグループに参加した13歳の時。Drum&Bassと出会うまでそう長くは無い時だ。

『Love Energyっていう海賊ラジオに参加してたの。Moss Sideにあるとある一軒家から放送してた。私はHip HopやR&Bクルーの1部だったけど、その他に、毎週土曜日の午後、私達の後にプレイしに来てたかっこいいクルーがいて、Drum&BassやRaggaをまわしてマイクでチャットしてたの。なんとかうまくその子達に接近して、他のクルーとの付き合いを徐々に抜けてった。その頃仲間であった兄がHysteriaのテープを買ってきて、それを座ってじっくり聴いたのが初めてだった。』

JennaとUn-Cutは瞬く間に評判を上げ、コマーシャル活動にもサクセスを成し遂げた。特に"Midnight"はその代表である。Un-Cutを離れた後、Jennaが再始動するまでに時間が空くと予想したが、彼女は実に素早く活動を再開させた。ご存知の通り、多くのDrum&Bassプロデューサーがデビューアルバム作成に数年をかけ、その多くはシングルコレクションと化する事がほとんどだが彼女は違った。数点の控えめなリミックスシングルを出した後すぐ、"For Lost Friends"で花を咲かせる準備万端だったのである。

『Un-Cutと初めて組んだあの頃から、Drum&Bassのアルバムを作りたかったの。大手レコード会社と関らなきゃいけなかったり、誰かのポップミュージックを書いたりしてたあの頃からね。出来るって自分にずっと言い聞かせてたから、Zincがそのチャンスをくれた時はあっという間に全てがうまく行ったの。Un-Cutとの関係は、ガレージにフェラーリがあるのに1回も乗らずにいた感じ。私たちはDrum&Bassでの最強なバックグランドがあるのにも関らず、結局表に出ることはなくて、ただいつもふざけてただけ。』

幸いなことに、レコード契約は沈没の最中にあり、たった1度のアルバムリリースで簡単に解散へと運ばれた。

『貴重な経験だってわかっていながら、たくさん学びたいことがあってもなかなか聞き出せなかった。最初にメジャーと関っていなかったら、きっとインディペンデントレーベルでこのアルバムを出す程はガッツがなかったと思う。だからこそ今自分自身の意見や戦略にすごく自信があるの。』

なぜ"For Lost Friends"というタイトルを選んだの?

『ある種のコレクション。簡単に言えば、私が初めてマイクを握った音楽、Drum&Bassへの凱旋について。Drum&Bassは子供みたいにはしゃいでたあのレイブの日々に連れ戻してくれる友達みたいな存在。だから"For Lost friends"はそれについての私の感謝の形であり、また、私が音楽ビジネスに就いてから、Un-Cutと共にした今までの経験への奉げ物。その経験達が次第に仲良く友達になってきてるの。なぜなら、その友達みんなが今のこの私を作り上げたんだから。それは人であり、場所であり、経験であり、また、うまく行ったことや、悪い方に転がったこと、そして過去になったことなんかも。このアルバムは私自身の一種の再生。Madonnaの"The Immaculate Collection"ね。どうやってうまく付き合ってくとか、どうやったら他のいろんなプロデューサーとクリエイティブな制作に持っていけるかをよく知りすぎてたから、Un-Cutと他の2人の1部になった後は結構ハードだった。でも成長でもあったの。Un-Cutにジョインしたあの頃21歳だった私ももう26歳だから。』

JennaとZincはアルバムに対するアイディアを生み出すと、次は一緒にやりたいプロデューサーリストを作り上げ、まずはそこからそれぞれコンタクトを取った。

『トラックが入ってきた後、次は一緒に入れる人とスタジオで色々チェンジして行ったの。送られて来た曲にはすんなりはまったわ。そして私がボーカルを足す。で、また送り返されてきて、ミックスダウンする。始めた頃はどうしたらいいのか、みんなどうやって受け取るのかまったくちんぷんかんぷん。半分やった頃、"これはダンスフロアキラーやリキッドチューン、その他のどんなスタイルのアルバムよりも感情に溢れたアルバムだ"って明白に思えて来たの。』

単純に言えば、"For Lost Friends"はただのスタイルベースではなく、きちんと構造されたアルバムなのである。

『Un-Cutが終わった時は、まるで自分の自信を強くノックされた感じだった。アルバムを作り始めた時はただただハッピーだった。まだ契約上にあったけど、それでも私にとって何が必要かはわかり過ぎる程だったわ。あれはセラピー。だから私の曲全部がセラピーなの。今アルバムを聴き返してみると、ちゃんと"私は曲を書いてる"って言える。Un-Cutの後は、"私に曲が書けるのかな?"って自分自身に問いかけてたのに。あれも歴としたセラピーだったのね!』

10月、Zincと行ったシリーズもののLive PAではゆるやかに感触を確かめた。MovementではスクラッチDJとフューチャー。新曲につけ加えUn-Cutの頃の素材も並んだ。やりくりがうまく行けば、この先正式なライブバンドを取り入れるプランもある。

『自分にとって、自分のコレクションをライブでプレイするのは自然な工程だと思う。本当の所を言うと、CD通して歌うってあんまり楽しめないの。私はUn-Cutと10人もの大所帯の出身だから。ツアーの手応えは最高。お客さんの目の前でステージに立つことがいかに楽しいか想い出させてくれるの。』

ATM ISSUE 64
by. Mark OD/ 訳:myoume

Jenna のストーリーは既に様々なチャプターに満ち溢れ、彼女が大手ワーナーで過ごした時間は実に美味しいものだった。Un-Cut(Jenna、そしてプロダクションペアである2DとD-cuts)の"Midnight"は充分なほど稼いだ曲で、彼らは嬉しそうにその分厚い札束を数えたのだった。しかし、残念ながらそれはおとぎ話の様なエンディングにならず、アルバムは不発に終わり、ライブショーも成功のうちに幕を閉じなかった。

『結局ワーナとにっちもさっちも行かなくなったの。気がついたら私達は全然繋がってもいなくて、音楽的に同じ場所にいなかった。』

"For Lost friends"は、今までのJennaの作品の中で最もパーソナルでそして素直な作品であり、また、ワーナーからの降灰以降の彼女の歴史を伝えるものでのある。目下活躍中のDrum&Bassプロデューサー陣とのフューチャリングにより、意義のある多彩なレベルのアルバムとなった。

『誰かから離れて成長しなきゃいけなくなった時や、状況が変わってもう一緒にいれなくなったことについてShyと一緒に曲を作ったの。それはリレーションシップや音楽についてのことであり、私とUncutとの関係についてであり、そして男性とのことでもあり、また家族とのことでもある。すべてが含まれてるの。』

その大胆なテーマはアルバムの作詞活動を通して見い出された。愛があり、別れがある。そしてそのエスケープ手段である音楽がそこある。それは常に変わらない普遍的なもの。だからこそ多くの人達が彼女の書く歌詞に親近感を持つのであろう。

『自分自身に書いた詞がみんなに共感されるってとっても素晴らしいこと。今までギグをやって来て思うのは、そこではみんなが"歌"を感じてるってこと。"本物の歌"をね。ベースラインだけじゃないの。このアルバムは、"自分自身を見つける"ことで埋め尽くされてる。そして今私はソロアーティスト。まったく別のゲーム。自分自身をきちんと映し出していないことは書きたくなかったの。私の作詞スタイルはいわばセラピーの様なもの。多分みんなそういう類のセラピーが必要だと気付いてないと思うけど。私はラッキーすぎる程それをよくわかってて、うまくチャンネル出来てる人間だと思う。Un-cutと別れてから自分の中に色んな事がたくさんあったの。その後しばらく一緒にいた彼とくっついては別れて、結局その人別の誰かと子供作っちゃった。そりゃもう"Fucking hell !!"。で、そのことについて書いたらなんとピッタリに仕上がったの。自分の経験が杖になってる事に今はものすごく満足してる。自分に忠実にさえしてれば、どんな難題だって太刀打ち出来るってこと。』

歌とDrum&Bassはそう簡単に仲間作りをしないというルールには例外があった。GoldieのLP、"Timeless"は何が可能かを証明し、Roni Sizeの'Reprazent'は今までのうちで最高のライブを行った。"Midnight"、"Hide You"、又は"Lyrics On My Lip"もそのうちのビジネスである。そのルール信仰者がまだなお毛嫌いしていたひと月も前に、"Shake Your Body"は既にアンダーグランドで誰もがヒットを疑わなかったのもそのひとつだ。

ボスであるZincの支援と、錚々たるアーティスト(Friction、Craggz、Parallel、D-Key、Logistics、D-Bridge、A-side、Commix、Kabuki、TC1、Total Science、Nu Tone、Chase & Status、Catch 22など)のスタジオスキルは全て加えられた。このリミックススキルを充分に持ち揃えた顔ぶれが、知識豊かなヘッズに歓迎されることは間違いないだろう。

今最もアツいwww.myspase.comでJennaのホームページをチェックしてみると、なんと1653人というとてつもない数の友達が。彼女はとんでもなく有名人なのである。

『自分のやってる事にどんな人達が興味を持ってるか知るのは面白い。Drum&Bassって真のインダストリーだと思うの。クラブに行って、色んな人に話し掛ける。そこにはバリアなんて無い。"あなたのmy space友達です" なんていう人にも会うし、時々フリークもいたりしてゾッとさせられたりするけど、実際はその子達がコンタクトを取ってくるまでそれが誰だかわかる余地もないでしょ。私はきちんとコンタクトを取ってくる人や、今まで一緒に曲を作ってきた仲間の方にもっと興味があるの。私はその種のアーティスト。いい音楽を作りたいの。』

自宅のあるマンチェスターとロンドン間の移動は全てがそう簡単ではない。
『慣れるのに随分かかったし、行ったり来たりで本当に疲れた。2つの住処があって、ふといつもの上着を着たくなる(笑)。で、それはいつもマンチェスターにあるってわかったの。今はどうやったらうまくこなせるか段々わかってきて、最近は自分のワードローブをきちんと使い分けてるの。』

ロンドンでの暮らしはどう?
『いい感じ。とんでもなくバカ高いけど。北の人はみんなバーミンガムを通ると途端に(気絶しそうな声で) "これいくら?!"って。』

『"Drum&Bassで1番の働き者"って言われる。1週間のうち7日間働き詰め。昼も夜も。スタジオやラジオ、ボイスオーバーやなんやら。でもとってもいい事だと思ってる。だって、ロンドンではいまだにどこに行こうが顔パスだし、お金一切払わなくていいんだから。』

ハードワーキングは確実に報われている。現在1Xtra にて1週間に2つの喋りたい放題の枠を持つ(かなりエンジョイしている)。
『自分の好きな曲をどんどんプッシュするの。UKミュージックのほとんどに接触出来るから最高に楽しいし。いつもたくさんのメールが来るの。中にはストーカーまがいなものまであって、時々"I love you! でもネットでだけ。家には絶対来ないでね!"なんてマイクに叫んでる。』

『ロンドンでミュージシャンやるって最高。でも、クリエイティブな面から言えば断然マンチェスター。』

その娘をマンチェスターから連れ出すことは出来ても、その娘からマンチェスターを引き離すことは出来ない。

Jenna G "For Lost friends" 
Bingo Beatsより2006年4月リリース
1Xtra −毎週末(土、日)9AM〜12PM(イギリス時間)オンエア