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SHY FX interview (AUG.1995)
DBS2009で7月に4年ぶりの来日が決まったSHY FX。 '93年に18才でSOURレーベルからデビューし、ジャングル・ブームの原動力となって以来、 現在UKドラム&ベース・シーンのトップ・アーティストの一人として君臨する彼は現在34才。 13年前となる95年、当時SOURとレーベル契約し、ジャングルを大々的にプロモートしたavex traxのショーケースで SOURクルーの一員として来日したSHY FXに行なったインタビューを発掘。 ジャングルの息吹、そして決してブレる事なく、音楽への愛と自分の信念を貫き今に至る当時20才のSHY FXの言葉を感じてほしい。 |
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--出身と年齢をおしえてください。 「ノース・ロンドン。6月で20才になったよ」 --実家はレコードショップって聞いたけど? 「祖父がBody Musicというレコードショップをやっていて、彼が若かった時、サウンドシステムを持っていて、アメリカにもシステムがあるんだ」 --Body Musicはラヴァーズロックのレーベルと同じですか? 「そうだよ。Third Worldというレーベルも入っていたよ(※)」 (※Body MusicはJANET KAYやALTON ELLIS等のリリースで知られる。Third Worldは70年代に多くのルーツレゲエの名作をリリースしている) --やはりレゲエの影響を受けて育ったの? 「もちろん沢山聞いていた。10代の頃はヒップホップも聞いていたけど一番聞いたのはラガかな」 --トラックを作り始めたのはいつ?どんな音だったの? 「16才位だったかな。地元のサウンドシステムでレゲエのダブプレートを作り続けていたよ」 --ジャングルはいつから?レゲエからジャングルに移ったのはどうして? 「2年前位。レゲエを作りながら色んなものを聞いていたんだけど、偶然ジャングルを聞いて、これは凄い音楽だと思って、それからジャングルを作り始めたんだ」 --それ以降ずっとジャングルなの? 「そうだね」 --ジャングリストとして意識してる? 「もちろんだよ」 --ブリティッシュ・ジャマイカンの若者達にとって、ラガからジャングルへの移行があると思うけど現状はどうなの? 「やはり沢山のレゲエファンの人達がジャングルを心から好きになって、心から愛してるというのははっきりしてきている。まだラガを作っている人達はもちろんいるけど、リスナー達がラガのレコードを買わなくなってジャングルに集中してるんでレコード会社もジャングルをどんどん出すようになっている。自分自身そういう状況を良いとか悪いとか思ってないけど、ただ良いジャングルを作る人達は音楽自体を愛しているという事で共感できるけど、お金儲けの為だけにジャングルを作っている人達も多くなってるのも事実だ」 |
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--ジャングルを始めた頃はどんな機材を使っていたの?
「基本的なサンプラーとコンピュータだよ」 --機材はどんどん進歩してるの? 「機材自体はそんなに変わってないよ。中には何台もサンプラーを使ったりしてる人達もいるけど、人々のメンタリティとかジャングルの曲の構成をもっと綿密に練って曲作りをするようになっているね」 --最近はラガ・ジャングルからインテリジェント・ジャングル(※)とかハードステップと呼ばれるサウンドが主流になってきてると思うけど、あなた自身はどういう方向へ向かっているの? 「やり始めた時はやはりラガ・ジャングルを中心にやってたけど、ジャングルに夢中になっていくと色んなジャングルを聞くようになり、その中で自分のスタイルも変わっていった。このアルバム(1st.『JUST AN EXAMPLE』)を作り終えた後すぐに曲作りを始めているんだけど、まったく別のスタイルのジャングルもあるよ。自分の中では分類したりはしないけどね」 (※当時、4HEROやLTJ BUKEMに代表されるサウンドは"インテリジェント・ジャングル"とメディアから呼ばれたが当のアーティスト達の反発で今や死語に) --SHY FXジャングルという事かな? 「そうだね。ラガ・ジャングルを作っていた後にもドラム&ベ−ス、ハードステップ、インテリジェント・ジャングルとかにも興味を持って、そういうトラックを作ってはいたけど、自分の作った新しいスタイルの言葉は当てはまらないのでSHY FXのジャングルという言葉が一番しっくりするんじゃないかな」 --1st.アルバム『JUST AN EXAMPLE』は今までの集大成という感じですか? 「タイトルにもあるとおり、これはただの例でしかないという、ちょっぴりの側面にすぎないよ」 --じゃあ未発表曲もいっぱいあるの? 「ダブプレートで出した曲もるけどリリースされてないものもある。でもSOURでリリースされてないものは自分のレーベルで出しているよ。SOURで出す曲というのは世界で受け入れやすい幅広い層に向けてというのが念頭にあるけど、自分のレーベルは一部の人達にっていう事も頭に置いている」 --もうレーベルはスタートしてたのですね? 「軌道に乗りつつあるよ。今までは名前を色々変えたし、ホワイト盤で出した事もあったけどね。毎週1枚づつのペースでリリースしてるけど毎回SHY FXばかりというのも何なんで、名前を変えているんだ」 --SOURとはどうやって出会ったの? 「エンジニアの勉強をしたくてカレッジに通っていたところ、学科の課外授業で実際の会社で勉強するというのがあって、その会社がSOURだったんだ」 --Third Eyeのようなブラック・コミュニティに根差したレーベルもあるけどSOURのようなポピュラーな会社をどう思いますか? 「まあSOURとThird Eyeのような会社というのは正反対のような気がする。今のところ自分にとってやりたい事の100%はSOURで出来ている。今すぐどうなるって事はないけど先の事はわからない。POTENTIAL BAD BOYとはずっとパートナーシップがあり、これからも一緒にやっていける仲間だと思ってる。最近UKでは POTENTIAL BAD BOYやT POWERやThird Eyeの人達がインストやディープな曲をシーンの中に根付かせようとしている。彼らの音的なものに共感する部分があり、自分もやってみたい分野でもあるけれど、SOURのレーベルカラーとは違ってくる。SOURはもっとポップな音だから色々難しい状況もあるよ。自分としてはPOTENTIAL BAD BOY達とやっていきたいと思ってる」 --あなたとUK APACHIの"Original Nuttah"、M-BEAT feat. GENERAL LEVYの"Incredible"の大ヒットでジャングルはポップ・シーンでも認知されましたが、それに対してハードコアな人達からの批判はありましたか。 「もちろんUKではポップで本当のジャングルではないという意見も沢山出てきたと思うけど、この2曲とも出てきた時はアンダーグラウンドなシーンでDJ達がプレイし始めて、どんどんオーバーグラウンドに出てきて、結果売れてきた。そのオーバーグラウンドに出てきてからしか見てない人達にとっては宣伝もしてるし、凄くポップな印象っていうのがあるんだろうね。ちゃんとしたシーンの中にいて見ていた人達にとっては、こういう曲もアンダーグラウンドなシーンで音楽を愛している人が作って、沢山の人達に支持されて、結果売れてポップになったっていう事だろう。反対にポップなオーバーグラウンドでヒットを狙って作ったものというのとは意味が違っていると思う」 --M-BEATとは年齢も近いし、出てきたのも同じ位だと思うけどライバルとして意識してる? 「別にライバルとは思っていない。今回日本に来る前にも彼と会ったりしてるよ。M-BEATは自分とは全く違う方向性を持っていると思う。彼は才能もあるし、ジャングルをもっと音楽的にミュージカルにしていこうと思っていると思う。ポップだと言われようが、チャートを狙った曲を作っていると言われようが、彼は何とも思っていないだろう。彼は彼が好きな音楽を作っていて、なおかつ売れればいいという考えなんで、それはそれでいいんじゃないかな。自分としては全く違う方向性を持っていて、自分が作ったトラックが売れようが売れまいが関係ない。自分のルーツを表現しながら自分と人々を表現できればいいと思っている」 --SHABBA RANKSのリミックスをやっていますね?ジャングル以外のリミックスは初めてですか? 「SHABBA以外にもPATRAや沢山やっているよ。でも違う名前を付けているんであまり知られてないけどね。きっかけはリミックスの依頼があったからだよ」 --曲作りはどういうところから発想するの? 「今ベッドルームをスタジオに変えているのでいつでもその気になれば始められる状況にある。あまりスタジオに入って、さあこれから始めるんだっていう姿勢ではやっていない。その時にメロウな自分の雰囲気があれば自然にその音に反映されるだろうし、ハードな気分であればハードな部分が反映されてくるといった感じさ」 --あなたの"Gangsta Kid"と"Gangsta"は連作になっていますがギャングのイメ−ジは? 「特に意味のあるものではないけど、自分の育った環境やそこにいる人々の情景や否応無しに見えてくるものを反映している。そこにある暴力や銃の事から目をそむけてはいけないんだ」 --あなたのトラックはそういうリアリティを表現しているの? 「これまでそんなに強いメッセージっていうのはなかったけど、最近になって自分のメッセージを何か伝えていこうという意識が芽生えてきた」 --2001年でもまだ26才と若いけど、21世紀は何をやっていると思う? 「もうすぐ子供が生まれるんだ。やはり未来を考える時にはまず子供の事を考えてしまう。自分の事になるとコンスタントに仕事をしていければいいし、自分と人々の思っている事を音楽を通して表現していければと思う。お金儲けの為に音楽をやっているんじゃなくて、自分の心の為に音楽を作っていきたいと思う。もしSOURを離れるような転換期があったとしたら、その後はもっと自分らしく、もっと自由に曲作りができるんじゃないかなと思っている」 --ジャングルの未来は? 「2001年という事を考えるとジャングルの音というのはどんどん変わっていくだろう。UKではアンダーグラウンドに帰ってきている傾向があり、そのアンダーグラウンドの位置で大きな幅で確立していくと思う。自分のまわりのアーティスト達が中心となってアンダーグラウンドジャングルの大きな基盤となるものがその頃できているんじゃないかな」 (1995年8月東京にて。インタビュー/神波京平) |
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